機構長挨拶 九州大学は、九州の玄関口、福岡に位置し、地理的・歴史的にアジアに近く、アジアに開かれた大学として、アジア・オセアニア地域を中心に、多くの優秀な留学生や研究者を受け入れ、国際社会で活躍できる人材を育成するとともに、当該地域でのネットワーク形成により、数多くの人的・知的資産を蓄積してきました。 2019年4月、これらを基に、アジア・オセアニア地域を対象に展開する実践的な研究教育活動の促進と、社会的課題の解決に全学で取り組むため、「アジア・オセアニア研究教育機構 Kyushu University Institute for Asian and Oceanian Studies(Q-AOS)」を創設しました。 今日生じている社会的課題の多くは、種々の要因が複雑に絡んでおり、特定の専門分野の知識、技術のみで解決することは困難です。例えば、2015年の国連サミットで採択された2030年に向けた持続可能でよりよい世界を目指すための国際目標である「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成には、気候変動、生物多様性の損失、貧困や格差、紛争や人権侵害等の多岐にわたる課題への取り組みが必要で、組織や専門分野の枠組みを超えた協働が不可欠です。 本学は、人文社会科学系、生命・自然科学系及び芸術工学系の幅広い総合知で社会的課題の解決に貢献することが可能であり、Q-AOSは、そのプラットフォームとして積極的に機能することが期待されています。先ずはアジア・オセアニア地域で、今日生じている課題への対応から始め、将来的に予想される社会的問題の発生抑制につなぐことができれば、サステナブルな社会の実現にも貢献することができると考えます。 本学の留学生の約8割はアジア・オセアニア地域から受け入れており、多くの日本人学生もアジア・オセアニア地域への渡航や留学を経験しています。これらの人材が、各地域のアルムナイネットワークの中心となり、このつながりを継承してくれるように、各国・地域で九州大学フォーラム等を開催しています。 Q-AOSでは、2024年度から現地の要求に応じて(オンデマンド)、現地機関との現地での協働(オンサイト)による活動を本格化させるため、海外実装を見据えた部門による活動も展開いたします。 今後とも、皆様からご支援の程、よろしくお願いいたします。 九州大学総長 / アジア・オセアニア研究教育機構長 石橋 達朗 Mission / Vision - Mission 「アジアに開かれた大学」として、100年を超えて展開してきたアジア・オセアニア地域との交流と教育研究の集積を生かして、世界高水準の独創的かつ学術的研究とイノベーションを創出します。 - Vision アジア・オセアニア地域で今日生じている社会的課題の解決と、将来生起することが予想される社会問題の発生抑制などに関する研究教育にオール九大で取り組み、SDGsとSDGsのその先に本質的な貢献をします。 組織図