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九州大学フォーラム「KYUDAI NOW」 in バングラデシュ

イベントレポート

九州大学フォーラム「KYUDAI NOW」in バングラデシュ

 

2024年3月5日(火)、バングラデシュ・ダッカのシックスシーズンズホテルにおいて、九州大学フォーラム「KYUDAI NOW inハングラデシュ」が開催されました。このイベントの目的は、九州大学が最新の研究を紹介することで、(1) 在バングラデシュの九州大学同窓生や福岡県にまつわる方々をはじめ、現地在住の教育、企業、行政関係の方々などとのネットワークを強化・拡大すること、(2) 本学とバングラデシュの大学、政府、企業、地域社会との、学際的な共同研究および教育連携を促進することです。

 当日は工学、農学、教育、環境、経済などさまざまな分野の本学教員計6名が集結し、約80名の参加者を前に自身の研究について発表しました。

このフォーラムはYoutube

(https://www.youtube.com/live/WKxfD3YdxwI?si=1LKv6b_TIfAvyi18)でもストリーミング配信され、現在もアーカイブをご覧いただけます。

まず、本学の原田明副学長、在バングラデシュ日本国大使館公使の町田達也氏、ダッカ大学工学部学部長のハフィズ・ハサン・バブ教授、バングラデシュ科学産業研究評議会会長アフタブ・アリ・シャイク教授が開会の挨拶を述べました。

九州大学フォーラム”KYUDAI NOW in バングラデシュ

原田明副学長と在バングラデシュ日本国大使館 町田達也公使

原田明副学長とダッカ大学工学部学部長のハフィズ・ハサン・バブ教授

清水周次副理事とバングラデシュ化学産業研究評議会会長 アフタブ・アリ・シャイク教授

 「人文科学とテクノロジー」をテーマにした第1セッションでは、言語文化研究院の鈴木隆子准教授が「教育と国際開発: 小学校で身に付けた非認知能力を評価する縦断的研究」と題し、コロンビアでの小学校の卒業生に対する非認知領域における自律学習の評価について発表しました。

 続いて工学部の濱本義則准教授が「太陽熱を利用したスマート熱エネルギー変換技術」について、電力を極力使わない葉物野菜栽培プラントでの実験などを通して発表しました。次にカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所のビデュット・バラン・シャハ教授が「エネルギー効率の高い代替冷却システムに関する研究」と題し、吸着冷却システムをはじめとするこれまでの研究領域について講演しました。

 30分間のコーヒーブレイクを挟み、「農業と環境」がテーマの第2セッションでは、熱帯農業研究センターの松元賢准教授が「バングラデシュ農村におけるヒ素放出に関連する微生物について」と題し、土壌に堆積するヒ素と微生物の影響について実験結果を発表しました。つぎに芸術工学部の朝廣和夫教授が「テクナフの森林伐採と社会」について、テクナフ半島における森林伐採やホームステッドガーデンと生態系の保護についての研究を発表しました。またアジア・オセアニア研究教育機構のキム・シューマッハー准教授が「アジアにおける持続可能な開発の拡大におけるESG投資の役割」について発表しました。

 各発表に設けられた質疑応答タイムでは、次々にフロアから質問が飛び、熱っぽい議論が交わされました。閉会の挨拶はバングラデシュ九州大学同窓会(KUAAB)会長のシクダー・M・アサドゥザマン博士、本学の清水周次副理事が行いました。

バングラデシュ・ダッカで開催された九州大学フォーラム「KYUDAI NOW in バングラデシュ」の会場の様子(2024年3月5日)

 さらにこのフォーラムの後、同会場でネットワーキング交流会が開催され、本学同窓生50名以上を含む約100名が参加しました。また、このイベントにはダッカ日本人会に所属する福岡県や九州地方の出身者をはじめ、10名以上の日本人も参加しました。参加者たちはバングラデシュ料理を囲みながら親交を深めるとともに、新たなネットワークを形成し、本学とバングラデシュの大学教員、同窓生、コミュニティとの結びつきを強化しました。

    九州大学フォーラム「KYUDAI NOW」後の参加者とのネットワーキング交流会の様子

株式会社BIJTオフィスにて(2024年3月6日)

 翌3月6日(水)、九州大学の訪問団は株式会社BJIT(Bangladesh Japan Information Technology)を訪問しました。取締役副社長の明石康弘COOから、バングラデシュよりIT技術や技術者を発信・輩出するBJITの沿革について伺い、スタッフから企業連携やBJITアカデミーの取り組みなどについて説明を受けました。その後皆で産学連携のさらなる可能性について話し合いました。
続いてバングラデシュ九州大学同窓会(KUAAB)会長のシクダー・M・アサドゥザマン博士の研究拠点であるバングラデシュ原子力委員会を訪れ、ゲストハウスにて昼食をともにしました。

バングラデシュ工科大学(BUET)にて (2024年3月6日)

 その後バングラデシュ工科大学(BUET)を表敬訪問し、サティア・プラサド・マジュムダー学長、理工学研究イノベーションセンター所長であるムハンマド・アニスザマン・タルクダー教授、ジバン・ポッダー工学部長らと今後の連携のあり方について活発な議論が交わされました。バングラデシュ国内の問題解決に協定や連携がいかに資することができるかという視点の重要性について問題提起がなされました。

 

ダッカ大学にて (2024年3月6日)

 続いてダッカ大学(DU)を表敬訪問し、相互の情報交換と今後の研究連携や交流の可能性について協議しました。その後各研究室のツアーを行い、ダッカ大学の最新の研究成果に触れました。

 

ダッカ大学学長の邸宅。イギリス統治時代に建てられた歴史ある建築物である(2024年3月6日)

 そしてこの日の最後はダッカ大学学長のA.S.M.マスド・カマル博士の邸宅に招かれ、今後の日本とバングラデシュの研究連携の最前線について話し合いました。

 このように、Kyudai Now in Bangladeshでは、本学が多岐にわたる分野での最新の研究成果を共有し、同窓生を中心に広くバングラデシュ社会に向けて情報を発信する貴重な機会となりました。さらに日本人コミュニティとの連携や相互理解を深めるためのプラットフォームとしても機能し、参加者に新たなネットワーキングの機会を提供することができました。

 

Q-AOS主催イベント

アイキャッチ画像:九州大学フォーラム「KYUDAI NOW」 in バングラデシュ

本イベントは、九州大学における様々な分野の最新研究をバングラデシュ社会全体に向けて共有し、特に卒業生との情報共有の機会を提供します。

詳細

日時 2024年3月05日 14:00 ~ 2024年3月05日 18:00
場所 Six Seasons Hotel
言語 英語
参加費 無料
Youtube Streaming https://youtube.com/live/WKxfD3YdxwI
問い合わせ 九州大学 アジア・オセアニア研究教育機構(Q-AOS)
Q-AOS事務局
TEL:+81-92-802-2605
E-mail:aoevent★jimu.kyushu-u.ac.jp(Please change ★ to @)