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リタイヤメントを再検討する― エイジング・モジュール(医療健康クラスター)、クレディ・スイス銀行研究所の国際研究「Rethinking Retirement」に貢献

急激な少子高齢化が進む今日のエイジング社会において、労働力の低下や年金など老齢期に係る社会保障の財政的逼迫は、世界中の国々にとって最重要課題の一つとなっています。多くの国々ではその解決策の一つとして、人々のキャリア寿命を延ばし従来の平均的なリタイヤメント(職業生活からの引退)年齢を超えて働き続けるよう推進しています。一方、人々がリタイヤメントに至る過程も年々多様化し、引退後の生活の経済格差もこれまで以上に顕著になってきました。このような世界的な傾向の中で、今後人々はどう働き、どうリタイヤメントを迎えるのか?そして今後国々が勧めるべきリタイヤメントの在り方とは何なのか?近年、世界中の研究者のみならず政策関係者や産業界のリーダーたちが、リタイヤメントの意義や傾向を再検討し、今後の在り方を模索する必要に駆られています。

クレディ・スイス銀行は、スイスの首都・チューリッヒに本拠地を構える世界最大級の多国籍金融機関であり、近年、その直属の研究機関であるクレディ・スイス銀行研究所が大規模な国際研究プロジェクト「Rethinking Retirement」を実施しました。今後のエイジング社会に相応しく且つサスティナブルなリタイヤメント制度作りに資するため、アジア・オセアニア地域を含む世界中の国々におけるリタイヤメントの傾向と地域間における特性や相違点、そしてその今後の展望を、多様な角度から包括的に網羅した先進的研究調査です。その成果である報告書は、今年1月21日に世界の政界や経済界のリーダーが一堂に集う2020年度「世界経済フォーラム」にて提出・発表されました。

このクレディ・スイス銀行研究所の国際研究プロジェクトに向けて、本学Q-AOS・医療健康クラスターのエイジング・モジュール (Module Ageing & Later Life) 代表・肥後裕輝教授(老齢社会学)が、日本を含むアジア・オセアニア地域におけるリタイヤメント制度の専門家として、特別論評の寄稿の依頼を受けました。この論評の中で、肥後教授は、過去役20年における日本での高齢者就労に係る公共・社会政策の特性を抽象し、それを「Adjustment Approach」と概念化し、欧州や北米など他の先進国でみられる政策群との対比を図り解説しています。また、高齢期のみならず全ての年代層の女性の就業をより効果的に推進していくことが、今後も世界をリードする超高齢化社会・日本に必須の課題であると議論し、今後日本に迫る少子高齢化を迎えるアジア諸国への政策提言を示唆しています。

クレディ・スイス銀行研究所の国際研究報告書「Rethinking Retirement」は下記のURLからアクセスできます(本機構・肥後教授の論評は31ページに掲載)。

https://www.credit-suisse.com/about-us/en/reports-research/csri.html

 

 

クレディ・スイス銀行研究所の国際研究プロジェクト報告書表紙イメージ

世界経済フォーラム2020年度年次集会のデジタル・イメージ

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