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研究会「遠隔でつくる人文社会学知」

イベントレポート

2020年10月31日(土),九州大学アジア・オセアニア研究教育機構 文化変動クラスターは、政治社会学会、大学院統合新領域学府ライブラリーサイエンス専攻と共催で、研究会「遠隔でつくる人文社会学知」をオンラインで開催しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全国の大学では4月以降オンライン授業を試行的に行ってきました。今回の研究会ではオンライン授業の実践報告集である『遠隔でつくる人文社会学知―2020年度前期の授業実践報告―』(雷音学術出版)の刊行を記念して、編者の先生方をお招きし、人文系・社会科学系・語学系の各オンライン授業の実施状況や課題をご報告いただきました。
まず、大嶋えり子先生(金城学院大学)が企画の趣旨について報告し、各教員の多様性を維持しつつ事例を比較検討するという編集方針についてご説明をいただきました。次に茂木謙之介先生(東北大学)からは、人文・社会科学系の授業実践が紹介され、学生どうしの「つながり」形成の難しさ、学生負担の増加、フィードバックの困難さなどの課題と、ハイブリッド授業や対面再開後においても活用できるオンライン授業のノウハウ等その可能性が考察されました。⼩泉勇⼈先生(東京工業大学)は語学系授業の実践について紹介され、オンライン授業とアクティブ・ラーニングとの相性やオンライン授業で画面をOn/offにすることの課題やジレンマ(対面授業の臨場感を保つことと、プライバシーの問題)のお話を頂きました。また、IT機器や経済的支援といあった、とくに大学から非常勤講師の先生方への支援についての今後の方向性など問題提起がありました。
3人の報告を受け、討論者の多川孝央先生(九州大学)より情報科学・教育工学の観点からコメントを頂きました。オンライン授業の今後の課題、ハイブリッド授業の可能性、技術的な課題、プライバシーの問題、機器支援など幅広い領域について、大変興味深い示唆を得ることができました。その後のフロアからの質疑応答では、オンライン授業の進め方や今後のオンライン授業のあり方などについて活発な質問がありました。本研究会には60名以上が参加し、盛会のうちに幕を閉じました。

●政治社会学会ウェブサイト:http://aspos.web.fc2.com/online.html

共催・協力イベント

アイキャッチ画像:研究会「遠隔でつくる人文社会学知」

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日時 2020年10月31日  ~ 2020年10月31日